すべては安心と安全のためにsafety

すべては安心と安全のためにsafety

難しい医学の話をできるだけ簡単にご説明するコーナーです。当院がこだわる安心、安全な医療のお話です。随時更新していきます。

新型コロナウィルス関連 〜院内で安心して過ごしていただくために〜 (高機能抗菌コーティング)

新型コロナ感染に対して他業界からのアドバイザースタッフも交え個人のクリニックとしては先進的試みを行いました。

⓵高機能抗菌コーティング(Sシリーズ)

不特定多数の方が利用する鉄道やバス車両、ホテル業界や大学病院などが注目し始めたコロナ対策が無光触媒のコーティングです。例えば電車の中の手すりやシートなどをコーティングすると接触感染のリスクを継続的に低減する効果が見込まれています。
コロナ感染の主体は飛沫感染が主体である事は最近わかってきました。
接触感染のリスクは当初言われていたものより低いのですが、産婦人科・分娩施設はマスク、換気だけで十分とは考えませんでした。
防御機能の弱い赤ちゃんを守るために、当院は見えないところに安全のための投資をしました。

⓶漆喰(しっくい)の壁

2Fナースステーション、新生児室まわりの壁をしっくいにしました。
田川市にある田川産業さんのものです。新型コロナウィルスに対して驚くほどの不活化能力を有します。
詳しくは下記のレポート及びリンクをご覧ください。
日本の伝統力はすごいです。

新生児の呼吸管理

SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)と新生児の呼吸パターンそしてETCO2(呼気終末二酸化炭素分圧)

人間の生命の大前提としてを酸素(O2)を十分に体内に取り込んだあとに、二酸化炭素(CO2)を同等に体外へ吐くことが大原則です。
コロナの報道で有名になったSPO2はもはや産婦人科の世界では新生児の体内の酸素(O2)の評価として常識になりました。

しかし、一般の産婦人科が接することないのに小児科や麻酔科、NICUでは必須なモニターがあります。それがETCO2です。新生児は大人と筋力や体型の違いから新生児特有の呼吸パターンを持っています。この呼吸パターンとETCO2は非常に密接な関係にあります。

例えば状態が思わしくない新生児に酸素(O2)を投与するとほとんどの場合、SPO2は上昇し改善したようにみえますが、体内に二酸化炭素(CO2)が多くたまることが多いのです。すなわち、酸素(O2)と二酸化炭素(CO2)のバランスが大切です。SPO2ーETCO2ー呼吸パターンを熟知することこそが本当の赤ちゃんの呼吸状態を評価し得るのです。

体温管理

赤ちゃんは37℃の子宮の中から、25〜26℃前後の分娩室へぬれたまま裸で産まれます。急に全身が冷えると赤ちゃんの全身の血管は収縮し血流が悪化します。大人が寒い日に手が白くなって、冷たくなるのと同じ現象です。

例えば腸への血流が減少すると腸の蠕動運動が弱くなり、赤ちゃんの嘔吐の一因となります。このことは低血糖、脱水、多呼吸など新生児にはあってはならない状態を作ってしまいます。そのため、当院では分娩室の温度をできるだけ新生児に優しい温度へ上げます。お母さんとのスキンシップが終了したら暖めた保育器の中でしばらく赤ちゃんをお預かりします。その後、器内の温度を徐々に下げ通常の生活温度へ慣らしていきます。

生後、十分な体温管理のできた赤ちゃんは腸の運動も活発で産まれて約2〜3時間後には初めての糖水を飲むことができます。
人間にとって、特に新生児にとって血糖は脳の発達という点で非常に重要なファクターです。血糖の低下を放置することは、全身けいれんを招いたり、最も重要なことは精神発達にも影響します。

医療の安全性と麻酔科

久保田産婦人科では、医療の安全性、“母と子の2つの命を守ること”について、非常に強く信念を持ち、こだわっております。

出産というドラマチックで喜びに満ちた瞬間は、一生のうちで最も尊い時間です。
しかし様々な緊急事態が発生しやすい事も事実です。
“この緊急の状況にあって、いかにお母さんと赤ちゃんを守るか”
このことを常に医療の中心に据えているのが、麻酔科なのです。

救急救命部や集中治療室など、一刻の猶予もない状況で活躍する医師の教育は麻酔科を中心に行われます。

私は、大学卒業後、この救急の第一線である九州大学麻酔科・蘇生科に入局し、
大学病院やこども病院を含め、約3年間、麻酔科医として研修をしました。
心臓外科、脳外科など、すべての科の麻酔を学び、緊急時のスキルアップに研鑚し、産婦人科へ転科しました。

分娩時の予期せぬ大量出血の母体や、呼吸することすら上手にできない新生児を救っている医療技術・知識こそ、じつは、麻酔科そのものなのです。

平成21年に、新生児蘇生法インストラクターの資格を取得し、より安全なお産を実践しております。

また、ここで習得した技術・思想は、当院のスタッフにも引き継がれ、病院全体でみなさんに安全な医療を提供し続けることは、当院が最も強いこだわりを持っている部分です。

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